時計に使われているベルが破損した為、銅合金で制作してほしいとのご依頼です。
図面も無く、破損した現物だけがあるとのこと、非常に難易度の高いお仕事です。
製造するにあたって、図面を起こさないといけないのですが、ベルの音が重要とのことで形状を大きく変更は出来ないという問題にぶち当たりました。

そこで、宮崎県工業技術センターに赴き、3次元測定器を使用しベルの形状を調べに行きました。
3次元測定器で破損したベルの座標値を計測します。

作成した3Dデータから鋳造を行うために必要な型を作成します。 弊社所有の3Dプリンターを使用し型を作成していきます。
最後に、特殊な薬剤を使用し黒染め加工を行っています。
塗装と違い、銅合金の表面に強制的にサビをつけるようなイメージです。 写真では真っ黒ですが、実物は使い込まれた10円玉のような色合いとなっています。
既存の銅合金に錫を多く添加することで、佐波理と呼ばれる銅合金になります。
硬度が増すため、非常に響きがよく澄んだ音色となります。
反面脆くなるため、工業製品には向きません。
コメントをお書きください